ダイオードは何者だ!
ダイオードは何をしているのでしょう。
 ダイオードはトランジスタと同じ半導体の仲間です。またダイオードにもいろいろと種類があり動作も異なります。キットの中では整流(電源)、検波(ラジオ)などに使われますがこれは一体何をしているのでしょう?
この部品はキットにも含まれている可能性が高いので何をしているか調べて見ましょう。
ダイオードにはたくさんの種類と極性がありますのでキットでは説明書をシッカリ読み組み立ててください。
 ☆ 目次 ☆ ダイオードの仕事は何だろう!
 ダイオードは半導体の仲間ですが何をする部品か学んでみましょう。
標準的なダイオードの目的は何か勉強していきましょう。
 ダイオードにも変わり者がたくさんいますのでいろいろ調べてみましょう。
ダイオードにもいろいろな種類がありますので調べてみましょう。
 ダイオードにも方向があります、周辺の部品まで壊してしまうので注意しよう。
とにかく方向を確かめましょう。
 ダイオードの特技は整流です。でも整流は何しているのでしょう。
ダイオードの主なる目的である整流を調べましょう。
 素早い動きのダイオードですが何に使うのでしょう。
スイッチングダイオードはロジック界の働き者ですが、だんだんと減っています。
 昔々あるところにラジオがありましたがラジオに使用されていたのです。
最近では入手さえ難しくなった部品です。現在は中国産で入手可能!
スイッチングダイオードの進化ダイオード。
 電圧をピタリと決めるダイオード
ツェナーダイオードはピッタリがお好き。一定の電圧ならおまかせ!
ダイオードなのになぜかコンデンサの変わり者!
光を感じるダイオード
 発光ダイオードは「LED」とも言いい、消費電流の多いランプの代打はこのLEDです。
LEDは人気者!どの電化製品にも使われている発光体・・・

 ダイオードには定電圧のツェナーダイオードと兄弟の定電流ダイオードがあります。
LEDとのコンビネーションで最近の人気者となりました。

ダイオード  ダイオードは何だろう?
■ ダイオードの仕事は!! ■
 ダイオードとは、いったい何をしているのでしょうか?
ダイオードは2本足でアノード(プラス側)からカソード(マイナス側)の方向にしか電流は流れない性質を持っています。
 英語で「diode(ダイオード)」と言い記号として頭文字をとり「D」と書きます。そして、その目的で型番があるようですが、これがまた困ったもんで型番が各メーカが好き勝手に付けてるのが実態のようです。(ある程度は規格がありますが・・・通常は「1Sxxxx、1Nxxxx」という感じの型番です)
■ ダイオードの歴史!! ■
 半導体での一番最初に生まれた部品はダイオードで、セレン整流器で「セレン」という金属で出来ていて目的は整流するために作られてようですが面白いことに真空管よりも3年も前に作られていたようです。年表としてはセレン整流器、亜酸化銅整流器、真空管、鉱石検波器(チョット昔)、接合ダイオード(現在の主流品)と生まれてきたようですが、初期の頃は整流器(交流を直流に変換)を目的でしたが途中から検波用(電波から音声の抽出)
にも半導体が使われ需要が急激に増えたようです。


■ ダイオードは警察官!! ■
 ダイオードとは、いったい何をしているのでしょうか?
ダイオードの字である「di(ダイ)」は数の2、「ode(オード)」は道路で「2つの電気の通り道」という意味だそうです。つまり入口と出口のあるの部品ですが道路標識で言うと「一方通行」ですかね!
 ダイオードは2本足でアノード(プラス側)からカソード(マイナス側)の方向にしか電流は流れない性質を持っています。

■ 真空管が変身!! ■
 昔は2極管という真空管がありましたが、この真空管も整流する目的で使われました。ところが整流目的よりも多く電気(ヒータ電源)を食べるし大型になる、熱を発するなど経済的にも不経済な部品でした。ところが半導体の出現でダイオードが生まれました。これは革命的でした。エッなんで! そうです真空管で必要だったヒータ電源もいらなしすごく小型で発熱もあまりでないと良いことづくしですね。
■ 整流はなに!! ■
 家庭用電源が交流で送られてきますが真空管・半導体の電源は直流でないと動作しませんので交流を直流に変換することを整流といいます。そこでセレン整流器、2極管(真空管)、整流ダイオードと生まれてきました。これは一方通行であるダイオードの得意技ですが実際にどのように直流にしてるのでしょうか?
 実際に整流について説明してみますが、解りにくいので下の図を参考にして下さい。
● 交流はプラスからマイナスに絶えず変化しています。
● ダイオードでプラスの部分のみ取り出します。
● これではまだ直流でないのでコンデンサと言う部品で平滑します。(これにより直流に近くなる)
  ※コンデンサでの平滑ではリップルが残り完全の直流ではないので別に安定化電源などが必要です。
■ 検波はなに!! ■
 AMラジオは鉱石検波器、ゲルマニウムダイオードなどで検波しないと音声に変わりません。ラジオでは遠くに運ぶため電波に変えて送信します。AMラジオはその電波を受けますが、その電波は次のように考えて下さい。電波はトラックで音はそのトラックの荷物と思って下さい。AMラジオはそのトラックを受信してダイオードでトラックから荷物だけを分ける働きがあります、このれを検波と言います。
ダイオードの種類  ダイオードに種類はどんなのあるのかな?
■ ダイオードてなあに? ■
 ダイオードの標準的な記号としては右記を参照にしてください。でもこれだけではないのでキットでよく使うダイオードの簡単な説明をしていきましょう。標準的な物としてはプラスチック製とガラス製の円柱形の物があります。また他にランプのような発光ダイオードもキットで使われますので確認して下さい。
 キットの中にもしかするとダイオードが入っているかも知れませんので取り出して見てください。1つは黒色のプラスチック製で円筒形の物でもう一つはガラス製でこれも円筒形で出来ているでしょう。円柱形の長さが4ミリ〜6ミリで直径が1.8ミリから2。5ミリ位の円柱形で両端にリード線(足)が出ていると思いますが、黒色の物は整流用、ガラス製の物はスイッチング、検波の目的だと思います。(詳しくは組み立て説明書を見て下さい)
 いくら一方通行と言ってもある程度電圧を上げないと作動しません、その電圧がターン・オン電圧と言いゲルマニウムダイオードで0.2V位でシリコンダイオードは0.7V位です。
 実際にダイオードは思ったより種類がありますのでそれぞれ分類してみました。キット中の部品でダイオードがあれば比較してみて下さい。

●一覧表  
種類ごとで特性や使用法が違います、それぞれ一覧にしてみましたので参考にして下さい。
■ ダイオードの一覧表 ■
 ダイオードの種類をある程度に分けてみました。あまり使わないものもありますが参考程度の見て下さい。
キットでは整流ダイオード、ブリッジダイオード、スイッチングダイオード、ツェナーダイオードがよく使われる候補で最近はゲルマニウムダイオードが昔のラジオの復刻版などで出てきています。
種類名 用 途 特  徴
整流ダイオード  整流ダイオードは電源回路には必ず使われる部品です。電源キットなどの場合に、このダイオードが使用されます。  低い周波数(家庭電源の50,60Hz)用の電源整流目的で作られてダイオードです。電流、電圧の最大値が型番で決まっています。
 一般的な物では外形が円柱形で黒のプラスチックモールドで出来ています。大きさは耐圧、電流などで変わります。
ブリッジ
  ダイオード
 電源回路で両波整流を目的に使用する時の部品です。  上記、整流ダイオードを4本使って作ることもも可能ですが、4本がひとまとまりになり放熱も考えてありますので便利なダイオードです。
スイッチング
  ダイオード
 スイッチング特性が良いのでデジタル回路ではいろいろ使われてます。  扱える電圧、電流が比較的低いので小信号用に使われますが、デジタル回路では今でもかなり使われています。
ゲルマニウム
  ダイオード
 現在はあまり使われませんが、おもに簡易ラジオのキットには使用されています。  昔、ラジオの検波は鉱石ラジオ(黄鉄鉱など)でしたが、その後ゲルマニウムダイオードが誕生してかなり安定した検波が可能になりました。
ツェナー
  ダイオード
 一定の電圧で安定する特性を持つので安定化電源や基準電源などに使用可能。  通常のダイオードでない変わり者ですが逆電圧をかけると一定の電圧で安定する特性を持っています。型番で電圧を決めることが出来ます。
バリキャップ
  ダイオード
 逆方向電圧をかけると、かける電圧で容量を変えれるコンデンサです。ラジオ・TVでのチュナーの同調用に使用される。  このダイオードは日本語で可変容量ダイオードと言い逆方向電圧に準じてコンデンサの容量が変化します。これが誕生したので最近のラジオ、TVは大体が電子チューナとなりました。、
フォト
  ダイオード
 このダイオードは光を受ける部品ですので、最近ではリモコン、光センサなどに使用されています。  このダイオードは光の量で流れる電流が変わります。赤外線を利用すると人間の目で見えないのでリモコンや物の通過を検出するセンサーなどが出来ます。
発光
  ダイオード
 今の電化製品、おもちゃ、何でもかんでも、この発光ダイオードが使われています。  この発光ダイオードは正電圧をかけることでランプのように発光します。今までは赤、緑、黄色とありましたが、三原色の青色がなかなかできず最近やっと誕生しました。(チョット前までいろいろ話題になりました)
ダイオードの向き  ダイオードの向きは大変大事です!
■ ダイオードの向きについて ■
 ダイオードには向きがありますが間違えると動作不良やダイオードの破損、最悪はその周辺部品の破損にもつながるので注意しましょう。また小型で帯の印がありますが見づらいので注意しましょう。

<ダイオードの方向について>

 ダイオードには方向がありますが実際の写真と回路図を見比べて見ましょう。
 良く見ると解りますが帯が印刷してありますのでそちら側がカソード「K」を表しています。チョット見づらいですが良く見ると確認できるでしょう。
整流ダイオード  交流を直流にするのはおまかせ!
■ 整流ダイオード ■
 まずは整流ダイオードですがシリコン・ダイオードで黒色のプラスチック製で円柱形が一般的な整流ダイオードです。このダイオードは基本のダイオードと同じ記号です。このダイオードは整流目的ですので比較的低い周波数(家庭電源の50〜60Hz)専用です。写真の白い帯側(色は型番で違うよ)がカソード(K)です。
 整流ダイオードを1本で整流した場合を半波整流といいます。4本使った場合は両波整流と言います。でも大きさが色々あるのは何でしょう・・・これは耐圧電圧と最大電流の違いでしょう。ともに大きくなればダイオード自体も大きくなるようです。
 写真のダイオードは東芝製「S5277B」です。

■ ブリッジ・ダイオード ■
 ブリッジ・ダイオードの記号は右記を参考にして下さい。また記号を見ても解るとおり整流ダイオードが4本ついてダイオードがブリッジ接続した状態で1つの部品となっており、そこからブリッジ・ダイオードと言われています。
 記号の「〜」に部分に交流を入力すると「+、−」端子に出力されます。この部品は普通のダイオードは2本足ですがこのブリッジは4本足で、丸形・四角型・縦長方形型と形もいろいろあります。
スイッチング  スイッチング・ダイオードは早いぞ!
■ スイッチング・ダイオード ■
 スイッチング・ダイオードの記号は右記のように標準のダイオードと同じです。また構造はシリコン半導体間PN接合で、ガラス封印パケージで小型円柱形が一般的なスイッチング・ダイオードです。
写真の青い帯側(型番により色が違うよ)がカソード(K)です。
 このダイオードはスイッチング特性(素早い動作を持つ)が良いのでコンピュータの周辺によく使われキースキャンの逆流防止や簡単なロジック代わりなどでき。一応高速ですので低電流でしたら簡易型スイッチング電源(DC−DC電源)の整流も可能ですので昔はかなり万能なダイオードでホビー向けでは必ず使われていました。ただしこれも東芝の「1S1588」が有名だったのですが製造中止となり現在日立が製造しているようです。(ただし部品屋さんでは在庫で持っている所もありますよ) しかもショットキーダイオードへ移行していくようです。

●参考 ⇒  チョット前までは東芝製の「1S1588」が有名でしたが現在は製造中止で販売店側で無くなると入手出来なくなります。でも日立で上位互換のダイオードである「1SS270A」がありますので安心してください。
ゲルマニウム  ゲルマニウムはもう骨董品?
■ ゲルマニウム・ダイオード ■
 ゲルマニウム(Germanium)ダイオードの記号は右記のように標準のダイオードと同じです。今はあまり使われませんが昔はこのダイオードばかりでした。
写真の赤や黒の帯側(型番により色が違うよ)がカソード(K)です。
 ラジオでは検波専用ですのでガラスに入っていますので中がのぞけますが小さいので解りづらいかも知れません。(次に少し大きくした写真を載せましたのでご覧下さい。)
最近はゲルマニウムラジオのキットで使われていますので、もしかしたら見かけるかも知れませんね!
■ 鉱石式ラジオ ■
 ゲルマニウム・ダイオードが誕生する前にラジオがありましたが、どうやって検波していたのでしょう?
そう、それが鉱石式ラジオです。え〜!「鉱石」はなんでしょうか、実際に
黄鉄鉱や方鉛鉱の天然石の破片を使います。調整法がまた面白くラジオを聞きながら鉱石の片方を固定して、もう片方を針先でふれながら感度の良いところを探す方法でした・・・チョット大変ですね!
 その後円筒の中に鉱石を入れ片方からバネで針を押し触れるタイプも出ました。その後は安定したゲルマニウムダイオードと変わったようです。

●参考 ⇒ 一般的に「1N60」が知られている部品ですが日本ではもう製造していないようです。次にゲルマニウムダイオードの拡大写真を載せてみましたが構造がわかるでしょうか?
 国産のゲルマニウムダイオードで「1N60」ですが針の部分が印刷で隠れて良く解りませんね!
(国産の場合は印刷がキチンとされています)
 こちらは中国産?のゲルマニウムダイオード「1N60互換」ですが現在入手できるダイオードはこれでしょう。
型番が全くないので針の部分が良く解りますね!
ショットキー  ショットキー・バリア・ダイオードは何?
■ ショットキー・バリア・ダイオード ■
 ショットキー・バリア・ダイオードSchottky Barrier Diodesの構造は半導体間PN接合の代わり金属と半導体間の接合で出来ています。また記号は通常とチョット違い右記の記号となりますがそのまま通常の記号でも問題ないようです。
ショットキー・バリア・ダイオード(ショットキーダイオードとも言う)ですがこれには機能別に次の物があります。またその用途により形状もチップタイプ、円柱タイプ、トランジスタタイプとさまざまな形があります。
● 「整流用ショットキーバリア・ダイオード」   スイッチング電源の大きい電流の整流用です。
● 「小信号ショットキーバリア・ダイオード」   小信号用専用
● 「高周波用ショットキーバリア・ダイオード」  高周波専用

 スイッチングダイオードではガラス封印パケージで低価格が困難なために、このショットキーダイオードが生まれたようです。このショットキーダイオードは動作が速いので高速スイッチングや高い周波数の整流など、いろいろな用途に使えるため種類も増えてきています。またデジタル回路ではかなり使われています。
ツェナー  ツェナー・ダイオードは強いの? (いや、電圧がピッタリ)
■ ツェナー・ダイオードって強いの? ■
 日本語で定電圧ダイオードともいいます。回路図は右記のようになり動作も通常のダイオードとは違った動きですので区別されています。本体にはツェナー電圧や型番が印刷されています。写真の青や黒の帯側(型番により色が違うよ)がカソード(K)です。
 今まではアノードからカソードへ電流を流すことが仕事ですがこのダイオードだけはわざと逆に電圧をかけるとある一定の電圧で止まる性質があります。そのためダイオードには小さく電圧値(型番の場合もあります)が印刷されています。
 
チョット気になるのが名前ですが英語では「Zenerツェナー)」と言い日本語読みではないので決して「つぇい(強い)」ダイオードではありません(そんなこと当たり前だー!と怒らないでね!)
 ツェナーダイオードは基本的にはツェナー効果という現象を利用しているようです。ダイオードは一方通行ですが無理矢理に逆の電圧をかけていくと突然「ドバー」と流れる現象が起きます、これがツェナー現象でその時の電圧を降伏電圧と言うそうです。通常のシリコン・ダイオードで100V位、ゲルマニウム・ダイオードで60V位からこの現象が起きます。そこでもっと細かな電圧でコントロールされたダイオードがツェナーダイオードです。
通常3V位から40V位で250mW〜500mWクラスが一般的でしょう。(もっと凄いのもありますが・・・)
 5Vのツェナーダイオードの場合は5V位の電圧で安定に保つようになっている部品です。(誤差があるので5V前後で安定します)
バリキャップ  バリキャップは変なコンデンサ?
■ バリキャップ・ダイオード ■
 このダイオードが誕生したためバリコンが無くなりすべてのチューナが電子チューナに変わってしまいました。英語では「
Variable Capacitance Diodes(バリアブル・キャパシタンス)」と書き長いので詰めて「バリキャップ」と言い日本語でバリアブル(可変)、キャップ(容量)は可変容量ダイオードと言います。
 このダイオードは逆電圧をかけることによりダイオード内のコンデンサ容量が変わる特性がありますがダイオードとしては変わり種です。この特性を生かしてラジオやテレビなどの電子チューナに使われていて、外部から電圧を変化させるだけで同調周波数を変化させる訳です。最近はチップ化にともない通常品の種類が減ってきているようですし昔の主流だったバリコン(可変コンデンサ)も一時期全くなくなりましたが最近またチョット製造されているようです。
フォトダイオード  光の量をキャッチ!!
■ フォト・ダイオード ■
 このフォト・ダイオードは記号で右記にようになりダイオードに光を受けるような記号です。フォトダイオードは英語をそのまま表現していますね!このダイオードは光の量を検出するための部品です。
■ フォト・ダイオードは何するの? ■
 それではフォト・ダイオードの動作を簡単に勉強しましょう。このダイオードは光の量に応じて流れる電流が変わりますが、光の量が多い方が流れる電流を増加します。物の通過を検出する事や、リモコンの受信などいろいろ使われていますが、リモコンもIC化されフォトダイオードとアンプが内蔵された物が主流となっていてフォトダイオード単体ではあまり使っていません。
 電子キットでは、白い紙に黒い線を書き、その黒い線をなぞりながら走る車などがあります。これは白と黒の光の反射量が変わる部分をフォト・ダイオードで検出しながら走る車の模型です。
定電流ダイオード  いつも一定の電流を流すぞ!!
■ 定電流ダイオード ■
 この定電流ダイオードは記号で右記にようになりチョット変わった記号です。
定電流ダイオードはCRD(CurrentRegulativeDiode)とも言います。本体には電流値の10、15などが印刷されています。また写真の黒帯側(型番により色が違うよ)がカソード(K)です。
 最近LEDをコントロールするのに抵抗でなくこのダイオードを使用することが多くなってきましたので、ここでも追加致します。
このダイオードは字のごとく順方向に一定の電流を流れる特性を持っていますので電圧が変わっても計算せずに安定した電流が流れるためLEDの制限抵抗の変わりに、この定電流ダイオードが使われるようになりました。
■ 定電流・ダイオードは何するの? ■
 さきほども説明したように順方向に一定の電流を流したい場合に使用します。
よく使われる定電流ダイオード(石塚電子製)の規格を記載しましたので参考にして下さい。データは更新される場合がありますので最新データは製造メーカのデータを見てください。

 下記以外の電流を作る場合並列につなぐことで実現できます。例えばE−103を2個並列にすると論理上20mAの定電流となります。
型番 定格電流(mA) 肩特性(V) 温度(%/℃) 最大電圧(V)
E−822 8mA(6.56〜9.84mAの範囲) 3.1V −0.25〜−0.45 30V
E−103 10mA(8.00〜12.0mAの範囲) 3.5V 30V
E−123 12mA(9.60〜14.4mAの範囲) 3.8V 30V
E−153 15mA(12.0〜18.0mAの範囲) 4.3V 25V
 定格電力は300mWですが100mWを超えると素子自体が熱を持ち上記温度特性により電流が減少します。
発光ダイオード  ランプの代わりに発光ダイオード?
■ 発光ダイオード ■
 発光ダイオードの記号は右記を参考にして下さい、ちょうど矢印が光を出しているようですね!発光ダイオードは英語で「Light Emitting Diode」と書き頭文字を取って「LED」と呼んでいます。とにかく正電圧をかけると発光する部品です。 
 発光ダイオードは身近にたくさん使われています。チョットのぞいてみて下さい。電化製品の電源ランプ、おもちゃの光るものいろいろあります。無い物を探す方が難しいくらいです。しかもフィラメントタイプのランプと違い寿命が長いのも特徴です。色も3原色すべてがありますのでいろいろな色も再現できます。
■ LEDってなあに? ■
 上記でも書きましたが、よくLEDと聞きますがこれは何でしょう、実は発光ダイオードの別名で「LED」とも言います。このLEDのL(Light)、E(Emitting)、D(Diode)の省略した物で日本語では「光を発するダイオード」となり発光ダイオードと言われてます。
 このLEDは、ランプと違い高寿命でしかも消費電流も少ないので大変便利な部品です。でも昔は光の量が乏しくランプの代わりまでにはなりませんし色が赤・緑・黄の3色しかなく光の三原色である青がありませんでした。ところがつい最近「青」が誕生したためLEDも飛躍的にのびました。この赤・緑・青を使うことですべての色が再現でくるのです、最近は白色LEDも懐中電灯代わりに出てきました。また携帯のバックライトもカラフルで明るくなりましたよね!
 明るくなったと言えばこれもチョット昔に誕生した高輝度タイプです。お店の電光掲示板はこのLEDを使っています。すごく明るくてまぶしいぐらいです(あまり直接には見ないで下さい)
■ LEDの特性? ■
 LEDにも特性がありますのですが最低限必要な値を勉強しましょう。ネットショップでも説明の所に書いてある記号ですよ。
※注意
 制限抵抗などの電流を制限する部品を使わずにダイレクトにLEDを電源につないではいけません。必ず何らかの処置をしてから電源につないでください。高価なLEDを一瞬で破損しないように下記のことを理解してから点灯させましょう。
順方向電圧  LEDに定格の電流を流すとLEDのアノード・カソード間に電圧が生じますが、この電圧を順方向電圧と言います。
簡単に言うと、「この電圧以上でないとLEDはチャント発光しないよ」となりますかね!
記号としては「Vf」とかきます、単位はだいたいがです。
この電圧は、LEDの制限電流を求めるときに必要な値ですので要チェック(計算方法は次の項目で確認してね)
通常は「赤、緑、黄」の色であれば1.8V〜2.0V位で、「青、白」などは高めで3〜3.6V位です。
(実際はデータシートなどで確認してくださいね)
制限電流  LEDに流す適正電流を制限電流といいます。この値は既定値を無視して流すとLEDの破損につながりますので注意!
記号としては「
If」とかきます、単位はだいたいがmAです。
昔のLEDは5mAで充分でしたが最近は高輝度が出現して10mAそして現在は20mAが主流になりつつあります。

■ LEDも極性があるの? ■
 LEDにもやはり極性があります、それは発光ダイオードと言われていますので「ダイオード」の仲間です。もちろんダイオードと同じでアノードとカソードの2種類です。
 電解コンデンサと同じで長い方がプラス(アノード)です。LEDのリードを切ってしまった場合はLED本体のカップに位置で確認しましょう。(だいたい上手くいきます)
■ 簡単なLEDチェック ■
 この図は簡単な点灯試験回路です。図のようにLEDの場合はアノードにプラス電源でカソードにマイナス電源を入れることで発光します。ただしLEDに直列に電流制限抵抗を入れましょう。
 電流制限抵抗は電源電圧とLEDの特性(Vf,If)より算出しますが、通常のLEDであれば5Vで330Ω、12Vで1KΩくらいで点灯テストは可能でしょう。高輝度タイプですとチョットくらいかも知れませんね!
 ◇ 制限抵抗の計算方法 ◇
 最近のLEDは高輝度タイプなため出来れば計算して適正な抵抗値を求めたいものです。計算自体はそれほど難しくないので実際に計算してみましょう。必要な条件として次の項目が必要となります。
必要な項目 記号 単位 説明 備   考
1.電源電圧 Vcc LEDに加える電圧です 12V車の場合は14.4V位で計算しましょう。
2.制限電流 If mA LEDに流す電流値です。 定格電流以上はLEDの破損となりますので注意!
最大電流以上の電流や最大電流近くでの長時間使用は止めよう!
3.LED順方向電圧 Vf LEDの順方向電圧です。 この電圧以上でないとLEDは光らない
 2.と3.は各製造会社のデータシートなど記載されています。
ネット・ショップの場合は説明のところに記載されている場合があるので必ず確認しよう!
定格がわらない場合は次のようにして決めて下さい。
・普通の赤、緑、黄色のLEDな場合は1.8V前後で考えてみましょう。
・青、白のLEDは少し高く3〜3.6V位で考えてみましょう。
・制限電流は通常の高輝度タイプでしたら通常10mA〜20mA位です。
 (※ただし定格がわからない場合で制限電流を超える電流を流すと壊れてしまいますので注意しましょう)
LEDが1個の場合は次の計算式で計算します。
(制限抵抗)=(Vcc(電源電圧)−Vf(順方向電圧))/If(制限電流)
(例 Vcc=12V、If=20mA=0.02A、Vf=3.2Vの場合)
R=(12−3.2)/0.02=440Ωとなります。
LEDが並列の場合は、この計算で算出してLED1個に抵抗を1個をいれます。
抵抗を1本で複数並列でLEDを点灯した場合は発光がバラツキ、電流も片寄るので止めましょう。
LEDが直列に複数個の場合は次の計算式で計算します。
(制限抵抗)=(Vcc−(Vf*LEDの数))/If
抵抗の許容電力の求め方。
(許容電力)=(Vcc(電源電圧)−Vf(順方向電圧))xIf(制限電流) ・・・LEDが1本の場合
(許容電力)=(Vcc−(Vf*LEDの数))xIf ・・・LEDが複数個直列の場合
(例 Vcc=12V、If=20mA=0.02A、Vf=2.8Vの場合)
W=(12−3.2)x0.02=0.176W -> 1/4Wとなりますが安全上2倍して1/2Wとなる。
計算上の注意点
 抵抗の許容電力は1/6W=0.167W、1/4W=0.25W、1/2=0.5Wです。
安全面より許容電力を算出した値を1.5〜2倍したときの値を許容電力にした方がよいでしょう。
また1/2W以上の抵抗は酸化被膜や金属被膜、セメント抵抗類を使用すると安全です。
 ◇ 定電流ダイオードでの接続方法 ◇
そんなめんどくさい計算なんかしてられない、もっと簡単な方法は無いのですか?
実際に抵抗よりもっと便利な部品があります。
要するにLEDに制限電流いないの電流を流れれば良いのでそういう部品を探してみましょう。
その部品は定電流ダイオードというものです。
この部品はいかなる電圧(定格内での使用)でも一定の電流が流れるため安定して電流管理が簡単に行えます。
実際に上記制限抵抗の変わりにこの定電流ダイオードを入れ替えるだけでOK、簡単でしょう。
また計算も何もしなくてOK必要な電流の定電流ダイオードを選択するだけで良いのです。
定電流ダイオードの種類は?
・E−822 定格電流 8mA(6.56〜9.84mAの範囲)、最大電圧 30V
・E−103 定格電流 10mA(8.00〜12.0mAの範囲)、最大電圧 30V
・E−123 定格電流 12mA(9.60〜14.4mAの範囲)、最大電圧 30V
・E−153 定格電流 15mA(12.0〜18.0mAの範囲)、最大電圧 25V
 どれも 石塚電子梶@製です。(必ずデータシートを確認して下さい更新される場合があります)
上記を参考にそれぞれの制限電流(If)を選択するとした場合は次のようにすると良いでしょう。
If=10mA −−> E−103
If=12mA −−> E−123
If=20mA −−> E−153 もしくは E−103を2個並列につないで使う
経済的な部分で問題点があります。
・定電流ダイオードは価格が高い50円前後かかります。
・抵抗だと10円以下で購入可能ですので経済的です。
7セグLED  発光ダイオードで数字の表示はオマカセ!
■ 7セグメントLED ■
 LEDを7個(正確には8個)配列して数字が再現できるLEDのことです、キットでも電子サイコロや周波数カウンタ、電圧計などデジタル化した数値を表示するのにはバッチリです。記号はカソードコモンを例にしています。
 先ほど8個と言いましたが7個で数字が作れ残りの1個は小数点用となっています。最近は液晶が主流になりつつあり7segLEDもだんだんと減ってきたようです。
■ 7segLEDの点灯法 ■
 7セグメントLED(7seg)の実際にどのように表示したら数字が出来るか見てみましょう。(今回は赤色のLEDとしてみました)
光らせるLEDを選択して赤く見えるところが点灯状態です。このように点灯するLEDを変える事で数字や文字などを表示させることができます。
ここでは専用のドライバーICでの表示の仕方を見てみましょう。

● LEDドライバーで74HC48/74HC49のICで表示させると次のようになります。
 
(0〜9までの数字)
 (A〜Fまでの場合)

● LEDドライバーでDM9368/DM9370のICで表示させると次のようになります。 (このICは英字のA〜Fを表示出来ます)
  見た目は同じようですが「6」、「A」〜「F」が変わっています(英字は大文字・小文字が混ざっています)
 
(0〜9までの数字)
 (A〜Fまでの場合)

●参考 ⇒  最近は直接コンピュータでLEDをドライブするダイナミック点灯が多くなりました。そのため上記以外の好きな文字を作ることも可能です。上記の表示はロジックICを使用して場合ですので文字の表示方法が固定されてしまいます。
■ 7segLEDの各位置の名称について ■
 7segのLEDの各位置に対して小文字の「a」〜「g」に割り付けられています。この位置は規格で決まっているようです。ピン番号とLEDの位置関係を確認するときに利用して下さい。
 a〜gまでの7個のLEDが分かれいるので7セグメント(segument)と言われています。これらの端子以外に「DP」と言う端子がありますが、この端子は小数点用のLEDです。
 7segLEDは通常は10ピンの足でできていますが、7個(a〜f)と1個(DP)で合計8本の足を使い残り2本がコモンとなっています。但しコモンは内部で接続していない場合がありませので注意しましょう。
■ 7segLEDのコモンについて ■
 7segのLEDは8本のLEDを点灯させる足ともう一本コモンという足があり合わせて9本の足が使用されています。
7segLEDもダイオードと同じですので極性がありますが「アノード」か「カソード」のどちらをまとめて共通の端子がありそれを「コモン」といいます。そのため7segLEDの場合は2種類のコモンタイプがあります。
 アノードコモンとカソードコモンの2種類があり回路的には図を参照して下さい。また形状は全く同じですので型番で確認しましょう。(間違えると光りませんよ!)
<カソードコモン>
各端子に電圧を加えてコントロールしてCOM側をグランドにすることで点灯する場合。
<アノードコモン>
電圧を加える方がCOM側で点灯させたい所をグランドににすることで点灯する場合。コンピュータでスキャン方式でドライブする場合はこのアノードコモンがよく使われます。(回路でどちらでも可能)

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