コイルは何者だ!
コイルは何をしているのでしょう。
 コイルは何をしていますか。またコイルにもいろいろと種類があり動作も異なります。キットの中でもコイル、トランス、マイクロインダクタなど名称もたくさんありますので調べてみましょう。
 この部品はキットにも含まれている場合もありますので何をしているか調べて見ましょう。
種類により外形も動作も違いますのでキットでは説明書をシッカリ読み組み立ててください。
 ☆ 目次 ☆ コイルの仕事は何だろう!
標準的なコイルの目的は何か勉強していきましょう。
コイルは交流の抵抗です半導体の仲間ですが何をする部品か学んでみましょう。
コイルにもいろいろな種類がありますので調べてみましょう。
コイルを利用した物でトランスが有名、その他チョークコイル、アンテナコイルなどがあります。
電源トランスの主なる目的は交流100Vを決められた交流電圧を作る部品です。
通常は50Hz、60Hz専用ですよ。
信号用トランスは電源トランスと違い周波数の幅が広いトランスです。
音声用の小型な物から真空管用などの大型な物、そして最近はスイッチング用まで…。
高周波の必需品! 中間周波トランス(IFT)はラジオの電波用にあります。
IFTは四角い(15mm〜5mm角)金属のカバーで頭に穴がありドライバーなどで調節できます。
昔真空管時代ではチョークトランス(コイル)は必需品のように使われていきました。
最近はあまり使用頻度減り少なくなっています。
アンテナコイルは身近な物としてAMラジオに外側に飛び出しているのでわかるかも知れません。
但し最近は組み込まれているのが多く探すのが大変です。
 
コイルを利用している部品がまだあります、但しコイルに含まれないのでその他の項目でお話ししましょう。
モーター、スピーカ、マイクロホン、リレーなどです。
コイル  コイルの仕事はなんだろう?
■ コイルのしくみは!! ■
 コイルとは、いったい何をしているのでしょうか?
コイルはインダクタンスからインダクタとも言われています。コイルは部品用途の幅が広く説明する項目も多いのでキットで使用している単純なコイル関係について勉強してみましょう。コイルを利用している物ではトランス、アンテナコイル、チョークコイルなどがあり番外編ではモーター、スピーカー、マイクロホン、リレーもコイルが利用された部品でしょう。このようにいろいろありますが一つだけ同じ特徴があり、それは何かに導線(通常エナメル線系)をぐるぐると巻いた部分が特徴でしょう。この導線が巻かれている物を一般にコイルと呼びこれが抵抗でもコンデンサでも出来ない特性があるようです。
■ コイルは磁石!! ■
 コイルの基本は導線を巻いて電気を流すと磁界ができ磁石にもなります。導線を巻く中に鉄心などを入れると完全なる電磁石です。チョット応用してその鉄心の別な場所に同じく導線を巻き最初の巻に交流電源を流すともう一方にも電圧が生まれます。不思議ですね!
 でもこの場合は交流でないと駄目で直流だとオンした時とオフにした瞬間だけ電圧が発生しますが、どうしてでしょうか。これがコイルの特性のようです・・・と言うことはコイルは交流にのみ反応する部品と言うことが解ります。
 それでは実際にどのような種類があり、それぞれの動作を探ってみましょう。

■ コイルって交流のお邪魔虫!! ■
 コイルとは、いったい何をしているのでしょうか?
コイルは導線をぐるぐる巻にした部品ですが、この状態で電流を流すと電流の流れる方向の右回りに磁界が生じます。一本の線の場合は右回りで磁界が生まれますが、ぐるぐる巻いた線の場合は巻いた分の太い線として磁力が生まれます。そのため巻けば巻くほど磁力はパワーアップします。
 コイルに交流電流を流すとそこには磁界が出来ますが、交流なので磁界も正逆変化します。その為せっかく出来た磁界を無視するように逆の電流が流れるためやっと安定した磁界を作ったときにはまたその逆の電流が流れますので当然その交流電流も妨げられます。そうです交流的な抵抗が生まれます。この交流抵抗のことをリアクタンスと言います、ただしコイルの場合のみ誘導リアクタンスで単位は抵抗と同じ「Ω(オーム)」となります。
■ ヘンリーてなあに ■
 さきほどコイルは交流に対して作用するようだとお話ししましたが、実はコイルは直流抵抗は数ミリΩであっても交流だと周波数により抵抗値が変わります。つまりコイルにも単位がある訳ですが「インダクタンス」と言い自分自身のことを自己インダクタンスで単位は「H(ヘンリー)」と読みます。通常のコイルでは1ヘンリーと言うことはなく「ミリヘンリー」や「マイクロヘンリー」あたりが主流でしょう。
 誘導リアクタンス(XL)と自己インダクタンス(L)との関係は「XL(Ω)=2πfxL(H)」となります。
 πは円周率、fは周波数を表します。
コイルの種類  コイルに種類はどんなのあるのかな?
■ コイルってなあに? ■
 コイルの標準的な記号としては右図(左)ですがトランス類は右図(右)が代表的ですがこの他にも、いろいろありますので参考程度にして下さい。記号もよく見ると実際にぐるぐる銅線を回したようですね。コイルには、いろいろ種類があります。キットでよく使うコイルなどの種類を簡単に説明していきましょう。
 キットの中には、もしかするとコイル類(トランス類)が入っているかも知れませんので取り出して見てください。と言ってもトランスのようにでかい部品から抵抗のような小さい部品まであります。
 実際にコイルは思ったより種類が豊富ですのでそれぞれ分類してみました。キット中の部品でコイルがあれば比較してみて下さい。またコイルの分類ではないですがコイルを利用した部品もここで紹介しましょう。

●一覧表  
種類ごとで特性や使用法が違います、それぞれ一覧にしてみましたので参考にして下さい。
種 類 名 用 途 特  徴
電源トランス  電源専用のトランスで家庭電源のAC100Vを好きな電圧に出力します。もちろん交流で50Hz・60Hz対応です。  通常は薄い鉄板を何枚も貼り合わせてその部分に銅線を巻いてあります。電圧を高くしたい場合はたくさん巻き、電流を多くしたい場合は銅線を太くすると良い。コイル類では一番大きい。
信号用トランス  電源トランスと同じだが信号用に作られた物で入力、中間、出力トランスと大まかに3種類ある。  構造は電源トランスと同じでトランジスタ用はかなり小型、真空管用もあるが電源トランスと同等の大きい物まであろます。
高周波トランス
 (IFT)
 ラジオ、無線、TVなど電波関係には必需品です。金属の直方体で4本〜5本足です。
  10o角の直方体の上にコアを回す穴があり、調整が可能です。ラジオのキットには使用されている場合があります。
チョーク
  トランス
 真空管アンプの電源回路でフィルターなどに使用されます。  チョークトランスは真空管の電源回路でよく見ました、大きさは電源トランスより小柄な大きさです。ただし最近はあまり見かけないようです。
※不適切な説明がありましたので修正しました。(下記チョークトランスをご覧下さい)
チョークコイル  ラジオ、無線、TVなどで使用します。この場合オーディオ系やコンピュータ系でも使用します。
 形状は抵抗型、円柱型(緑色)、楕円型などいろいろあります。単位は「H」でいろいろあります。形状が小型なのでオーディオ系のフィルターなどにも使われますし、直流電源フィルターなどでも使用されます。フェライト系のコイルでは高周波では必需品かも!
アンテナ
  コイル
 黒い磁性体のフェライトに導線が巻かれたタイプ。AMラジオに使用します。  このタイプはさまざまな物があり大きさもいろいろでしょう。円柱形、直方体などありますがAMラジオを作る場合は必ず必要でしょう
その他  その他としてはマイク、スピーカ、モータ、ブザーなどがコイルの応用商品ですがコイル部品に含めずその他とします。  コイルの応用商品ですので部品ではありませんが参考に出してみました。あくまでもコイルの働きを動きに変える物でしょう
 コイルを利用した商品でリレーがあります。これはコイルで電磁石を作り接点を動かし大電流の物をON/OFFする物がリレーです。
コイルではないが参考に!
電源トランス  交流の電圧を上げたり下げたり自由自在!
■ 電源トランス ■
 電源トランスはコイルの仲間では比較的大きく鉄心入り(金属の固まり)のため重いのが特徴です。記号は右記のようなものが代表的な記号ですが、実際にはいろいろな種類がありますので詳しくはそれぞれのキットの回路図を参考にして下さい。電源トランス(コイル)を使う場合は必ず交流でなければなりません、しかも電源トランスの場合は50Hz,60Hzの交流専用で作られていますので注意して下さい。
■ 電源トランスの種類 ■
 電源トランスはケイ素鋼板(厚さ0.35mm)を何枚も重ねて作れれたトランスが通常品です。その他に「トロイダルトランス」・「カットコアトランス」・「Rコアトランス」などいろいろな種類があります。これらは用途に応じて選択されるようです。キットでは電源キットや基板に収納できる小型タイプもあります。
■ 電源トランスの役割 ■
 コイルの記号はくるくる巻いたコイルの記号が一つですが電源トランスの場合は2つ以上のコイルが組み合わさりできています。家庭用の電源は交流の100V(通常AC100Vと書きます)ですが通常のキットの場合は直流の1.5Vから24V位の電圧で使います。
 例えば直流の12Vを作る場合どうしましょう。そうですAC100VからAC12Vに変圧してその後AC12VをDC12Vに直流変換することでDC12Vを作ることができます。このときにAC100VをAC12Vに変圧する部品が電源トランスです。またコイルに使われている銅線の太さを変えることで出力電流も変えることができます。
■ ACアダプタは電源トランス? ■
 ACアダプタはAC100Vをその器具にあったDC電源に変換する物ですが中身は電源トランスと直流にする回路が入っているだけです。電圧や電流が大きくなると形状も大きくなるのは大半が電源トランスであるためです。最近はスイッチング電源が使われた物が増えてきていますので小型・軽量となってきています。
■ 電源トランスのライバルはスイッチング電源 ■
 最近、普及率が伸びてきている物にスイッチング電源があります。電源トランスは大きくて重いという欠点がありましたが、これは商用電源が50Hzか60Hzのためどうしても大きくなります。そこでスイッチング電源はAC100Vをいったん直流にしてそれを高い周波数に変換しているためトランスが極めて小型化される。またスイッチング電源は小型・軽量と一番の特徴は低損失であることですので良い点ばかりです。昔はトランスより値段が高いのが問題でしたが最近は量産されどんどん安くなっています。簡単に対比表を作っていました参考に!
特 徴 電 源 ト ラ ン ス ス イ ッ チ ン グ 電 源
重さ 重い 軽い
大きさ 大きい 小さい
周波数 50Hz、60Hz 交直両用タイプもある、かなり自由
入力電圧 AC100Vなどと決まっている ある程度変化しても大丈夫
損失 大きい 小さい
負荷変動 かなり強い(直流回路にもよる) 弱い(かなり改善された)
出力 必ず交流で出力(直流にする回路が必要) 直流で出力される(直流にする回路が内蔵されている)
価格 安価(但し直流にする回路が問題) チョット高価だが最近は低価格製品もある。
信号用トランス  電源以外のトランスもあります。
■ 信号用トランス ■
 信号用トランスは電源トランスと基本的に構造も似ていますので同じ記号で表すことが多いでしょう。真空管用の場合は一般的にほぼ使われていますがトランジスタ、ICなどの場合はスピーカ直結などDC化が進んでいるのであまり使用されなくなりました。
 信号用トランスは主に3種類に分かれますが「入力トランス」・「中間トランス」・「出力トランス」があります。昔のキットの場合はこのトランスも沢山使われてきましたが最近はあまり使わなくなりました。現在はアンプでもDC結合でトランスが必要ない状態になりおそらくキットでもこの信号用トランスにお目にかかることは少ないでしょう。
 キットでは真空管アンプですと一般的には出力トランスが使われている頻度が高いです。またこの他に電源トランス、チョークトランスなども使われています。
 6石トランジスタラジオなどには小型の信号用トランスと高周波トランス(IFT)が使われていました。

■ インピダンス変換? ■
 電源トランスは交流電圧の変換用ですが信号用の場合はインピダンスの変換用に使用されます。出力トランスは1次側が数キロΩのインピダンスが2次側はスピーカのインピダンスに合わせて4Ω、8Ω、16Ωなどに変換されて出力されます。

●参考 ⇒  トランジスタ用の小型トランスは現在では山水製の「STシリーズ」が今でも製造されています。部品屋さんで入手も可能でしょう。
高周波トランス  高周波トランスはなあに?
■ IFT ■
 IFTなどでコイルが向きだしのタイプや四角い金属ケースに入った物などがあります。記号はアンテナコイルとほぼ同じです。
真空管用IFTは20mm角で高さも60mm以上の大きい四角いアルミケースでできていますが最近のトランジスタタイプは7mm角位の小型の物までいろいろあります。
 電源トランスと違い大容量の電圧と電流を扱わないので高周波専用で有る周波数のみ通過させる機能を持ったタイプです。AMラジオの場合は周波数は455KHzでFMラジオの場合は10.7MHzなどが部品として使われるようです。
■ AMラジオ ■
 トランジスタラジオのキットもあまり見なくなりましたがAMラジオではIFTの四角い頭にマイナスのドライバで調整できるようになっています。このコアの部分に色が付いていて赤(局発用)、黄・白・黒(中間周波増幅用)の4個のIFTが付いていますので有りましたら確認してみて下さい。
チョークトランス  チョークトランスはなあに?
■ チョークトランス ■
 真空管アンプなどで使われる事が多い部品です。代表的な記号はコイルに1本棒があるように書きます。
チョーク「Choke」は日本語でパイプが詰まるやふさぐなどの意味ですが電源回路ではコンデンサと組み合わせて使うとリプル電圧をおさえる働きがあります。
 真空管キットではたまに使いますが、最近のキットでは使用電圧も下がりコンデンサの容量が大きくでき、またトランジスタ、三端子レギュレタなどを使用した電源回路が組まれていますので現在はあまり使わないようです。

【お詫びと修正】2009/12/12
 今回、メールにてチョークトランスに不適切な説明がありますとご指摘頂きましたので修正致します。
 説明で「電源トランスの1次側だけで2次側のないトランス」と誤解を招く解説していましたがこれは間違えです。
チョークトランスを電源トランスで代替えすることは出来ませんし、また構造もチョークトランス専用に作られていますので電源トランスとは違う物です。
※誤解を招く記載を致しましたこと、お詫び申し上げます。

■ 蛍光灯の安定器 ■
 蛍光灯の中にトランスのような物が入っていますが、これもチョークコイルの一種です。グロー管と組み合わせ点灯時の高電圧発生と蛍光灯放電電流の安定化に使われているようです。これもまたインバータ(スイッチング電源)に変わりつつあるようですがまだチョット価格が高いようです。
チョークコイル  チョークコイルはなあに?
■ チョークコイル ■
 ここではチョークコイルというより小型コイル一般を示し最近のコイルはこの部門にまとめてみました。チョークトランスと違い小型なものを集めてみましたので代表的な部品を説明しましょう。
 代表的にはリードインダクタ、マイクロインダクタなどの抵抗に似たコイルや円柱形のラジアルリードインダクタ、フェライトコアに巻いたコイルなど現在いろいろな形状、種類があるようです。

■ さまざまの用途に使用 ■
 このコイル群は最近良く使われる部品になってきました。スイッチング電源のノイズ除去、各回路の電源フィルター、DC-DCコンバータと使用用途もかなり増えてきました。しかも入所も可能ですのでキットでも見かけるでしょう。
 ☆ キットでは使うの! ☆
 DC-DCコンバータキット、ビデオ関係のキット、高周波関係のキット、キット内でのノイズ除去などに使用するでしょう、通常にキットではあまり見ることは少ないようです。
■ リード・インダクタ ■
 最近はコイルもラジアル・リード・インダクタ(縦型)やアキシャル・リード・インダクタ(抵抗型)などや現在ではチップタイプなど、いろいろ各種製品化しています。また各種のインダクタンス値を持った製品が比較的簡単に購入できるようになり昔より使用頻度は上がってきています。
■ トロイダル・インダクタ ■
 最近は良く見るドーナッツ型の黒いトロイダルコアにエナメル線のようなものを巻き付けてあるタイプです。比較的電流が流れるタイプのものが多いでしょう。スイッチング電源などの中を見てみると同じようなものがあります。
 用途は電源のノイズ除去ですがキットではDC/DCコンバータなどで使われています。

■ フェライトコア ■
 最近フェライトコアという名前を耳にしますが、これがコイルの芯に使われる重要な部品になっています。周波数特性が良く高周波にはほとんどがこのコアを使用しています。デジタル回路も高速化してきていますので電源回路などに使われています。
アンテナコイル  アンテナコイル
■ アンテナコイル ■
 右図の左側が空芯のパイプ(ベークライトのボビン)にエナメル線を巻いて作る物で右図の右側が磁心コイルの表し方です。最近のトランジスタで作るアンテナコイルは磁心コイルタイプでフェライト・コア(バーと呼ぶ)にエナメル線を巻いて作られます。
■ バーアンテナコイル ■ 
 最近のアンテナコイルはほぼ全部がフェライト・コアでできていますがフェライトコアの部分をバーと呼ぶのでバーコイルなどとも呼びます。大部分のAMラジオには付いていますので見てみましょう。(場合によってはループコイルタイプも有ります)

空き部屋  空き部屋
■ 空き部屋 ■




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